施工事例
-
2013/10/01 鋼矢板圧入工事 硬質地盤クリア工法
N値107の玉石混じり砂礫に鋼矢板を圧入|削孔穴の崩落リスクに対応した大久保谷地川バイパス工事
-
2012/09/01 鋼矢板圧入工事 硬質地盤クリア工法
撤去できない上空架線を避けて鋼矢板を縦継施工|N値100の砂礫地盤に対応した越戸川バイパス工事
-
2012/03/01 鋼矢板圧入工事 硬質地盤クリア工法
台風被災で36cm沈下した橋梁を補修|桁下で橋脚周囲に円形鋼矢板を施工した小林橋災害復旧工事
-
2010/12/01 鋼矢板圧入工事 硬質地盤クリア工法
新築住宅に近接した道路拡張工事で鋼矢板を圧入|振動に配慮した那須黒羽茂木線橋梁工事
工法事例
硬質地盤でも、無振動・無騒音で鋼矢板を圧入できる工法
硬質地盤クリア工法(クラッシュパイラー)
クラッシュパイラー。
鋼矢板を圧入する機械です。
玉石を含む地盤や砂礫、岩盤層などの硬質地盤でも圧入工法の優位性を損なわず杭施工ができます。
現在、U型鋼矢板(400mm幅)、広幅鋼矢板(500,600mm幅)、ハット型鋼矢板(900mm幅)があり、いずれも硬質地盤クリア工法の施工機械があります。
弊社ではいずれも対応可能です。
圧入とは
元来、パイル打ち(シートパイル(鋼矢板)打込やコンクリートパイル打込)等を含む杭打ち工事には振動や打撃による打設工法が一般的でしたが、騒音や振動問題に苦悩していた建設業界の救世主として登場したのが『圧入工法』です。
圧入とは静荷重によって杭を地中に押し込む事です。この方法では周囲の地盤が押し固められ、杭の側圧が増し、横軸方向に対してしっかりした力が得られるのが特長です。また、静荷重で圧入すると、縦軸に対しては杭の先端にたまねぎ型の圧力球根が出来ることが知られていますが、この現象によって杭の支持力が増大し、大きな載荷に耐え得る杭ができます。つまり圧入工法は、杭を打つ本来の目的に対して理想的な結果をもたらす工法といえます。
圧入工法が誕生したのは昭和40年代後半で時代のニーズによって非常にポピュラーな工法となりましたが、打設と圧入をひとまとめに『杭打ち』、『パイル打ち』、『鋼矢板打込』と表現される事もある為、弊社ホームページ上でも圧入工法の文章中に、打込という表現を一部使用させて頂いています。
硬質地盤クリア工法の概要
圧入工法は無振動・無騒音で杭を圧入できる画期的な工法ですが、唯一硬質地盤への圧入は不可能とされてきました。
玉石混じりの砂礫層や岩盤などの硬質地盤に鋼矢板を打設する場合、掘削機と杭打機の2種類の大型機械を用いて作業するのが一般的ですが、この工法では工期・工費に問題があり、環境への悪影響も甚大、安全性にも難点があります。
そこで、これらのマイナス面を全て克服すべく開発されたのが、『硬質地盤クリア工法』です。
施工機のクラッシュパイラーは鋼矢板とオーガを連動させながら圧入することで、騒音・振動を最小限に抑え、三点杭打機以上の施工能力を持つにも関わらずクラッシュパイラーの圧入機本体は軽量・コンパクトなので周囲への威圧感もなく、既設の鋼矢板をしっかりと掴む構造の為、転倒の心配も無く硬質地盤への杭の打込みという厳しい条件下でも高い安全性を誇ります。また、従来工法では困難とされた、傾斜地や水上、人家近接、鉄道、水質保全箇所、自然環境保護地区等において、最もその能力を発揮できる工法です。
硬質地盤への圧入を可能にした硬質地盤クリア工法の施工機であるクラッシュパイラーは国土交通省の標準積算基準書にも杭圧入引抜機の中の硬質地盤対応油圧式として分類し掲載され、一般的な工法として認知される様になりました。
圧入原理
圧入とオーガ掘削を連動させた『芯抜き理論』により、圧入の優位性を損なうことなく、硬質地盤への圧入を実現しました。
まず、パイルオーガにて最小限の掘削を行い、地中に芯をくり抜いた状態をつくり出します。そして、パイルオーガを引き抜きながらその隙間に杭を圧入していきます。掘削はあくまで圧入補助として最小限に抑えるので排土量は少なく、周辺地盤を乱さない為、強い支持力を持った完成杭を構築できます。
国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS【ネティス】)にも登録済(登録番号CB-980118-V)で技術活用パイロット事業に用いる工法として運用中です。※以前の登録番号はCB-980118-Aでしたが、より有用な技術と認められ、CB-980118-Vとなりました。
(尚、掲載期間終了のため、平成29年4月をもってCB-980118-VはNETISのリスト掲載はされておりません。)
環境対策
クラッシュパイラーの油圧源であるエンジンユニットは国土交通省の超低騒音基準値をクリアし、同じく国土交通省の排出ガス第2次基準値もクリアしています。
使用する油脂(作動油・グリース)も生分解性油脂を標準採用している為、万が一油漏れが発生しても自然環境(河川・湖沼・土壌など)への悪影響を最小限に抑えることができます。
積算資料
平成20年度より国土交通省にて標準歩掛として採用されました。硬質地盤クリア工法の標準積算基準は、国土交通省 土木工事積算基準 一般財団法人建設物価調査会発行 に記載されています。
(第II編 土木工事標準歩掛 第6章 仮設工①鋼矢板(H形鋼)工のうち油圧圧入引抜工 ※通称『黄色本』)
※クラッシュパイラーは(株)技研製作所の商品名です。
国土交通省の標準積算基準書には油圧式杭圧入引抜機の規格の内、排出ガス対策型(第2次基準値)
硬質地盤対応油圧式 圧入力800kN級 引抜力900kN級として分類されています。
令和3年5月時点での設計対応に関しては、最大N値600までの基準は国交省基準を適用し、下記の基準外の場合は圧入協会の積算基準を適用になります。
尚、圧入協会基準の範囲外の条件については従来通り、その都度の見積対応となります。
○適用範囲
50<Nmax≦600 標準施工の場合、国交省基準を適用
0<Nmax≦600標準施工、継ぎ施工、ノンステージング施工の場合、全国圧入協会基準を適用
※注意点・・・50<Nmax≦180の範囲内であっても、最大礫径φ120以上の場合や一軸圧縮強度5N/mm2以上の岩層の場合、N値50以上のハット型鋼矢板施工は全国圧入協会の基準を適用します。
★★★ダウンロードはこちらから↓
圧入協会の積算資料は 全国圧入協会のホームページより無料ダウンロードできます。
資料名は『硬質地盤クリア工法 鋼矢板圧入標準積算資料』です。
※2022年度版が発行されていますので、是非ご利用下さい。
別途積算案件について
当社では硬質地盤クリア工法の施工機であるクラッシュパイラーを関東の業者では初めて導入して以来、日本全国で施工実績を重ねてきましたので、他工法からの設計変更現場や最大換算N値600以上や最大レキ径φ200mm以上の現場、一軸圧縮強度40N/mm2以上の岩盤の現場、地盤改良された土質等の別途積算案件となる現場の施工実績が多数あります。積算資料の適用範囲外の現場でお困りの方、他工法で施工したが工法を変更したいとお考えの方、硬質地盤クリア工法を採用したいが、具体的な施工計画を検討したい方、等々いらっしゃいましたら、何なりとお申し付け下さい。
油圧式杭圧引抜工法(サイレントパイラー)
クラッシュパイラー。
鋼矢板を圧入する機械です。
玉石を含む地盤や砂礫、岩盤層などの硬質地盤でも圧入工法の優位性を損なわず杭施工ができます。
現在、U型鋼矢板(400mm幅)、広幅鋼矢板(500,600mm幅)、ハット型鋼矢板(900mm幅)があり、いずれも硬質地盤クリア工法の施工機械があります。
弊社ではいずれも対応可能です。
よくあるご質問(FAQ)
硬質地盤クリア工法や鋼矢板圧入工事について、 よくあるご質問を施工実績とともにご紹介します。
Q. 硬い岩盤でも鋼矢板を圧入できますか?
A. はい。硬質地盤クリア工法により、一般的な圧入工法では 施工が難しい岩盤にも対応した実績があります。 茨城県の豆入平橋工事では、換算N値1,500以上の 中硬岩~硬岩に鋼矢板を施工しました。 施工可否は岩質や現場条件によって判断します。
Q. 玉石や大きな礫が混在する地盤でも施工できますか?
A. 玉石混じりの砂礫層にも施工実績があります。 大久保谷地川バイパス築造工事では、 直径100~150mmの玉石が混在する地盤に、 長さ13mの鋼矢板を施工しました。 礫径や地盤条件を確認して施工方法を検討します。
Q. 長さ20mを超える鋼矢板にも対応できますか?
A. はい。東ガス真岡シールド工事では、 長さ27.5mの鋼矢板を縦継溶接により施工しました。 最大N値250の玉石混じり砂礫層で、 高い溶接技術と施工精度が求められた事例です。
Q. 他の工法から硬質地盤クリア工法へ変更できますか?
A. 設計条件や現場状況に応じて工法変更を検討できます。 鹿沼市の冠水対策工事では、 ウォータージェット併用バイブロ工法から 硬質地盤クリア工法へ変更し、 掘削手間の削減と工期短縮につながりました。
Q. 作業スペースや資機材の配置場所が限られる現場でも、鋼矢板を施工できますか?
A. 施工条件によっては対応可能です。渡辺アーステックでは、作業スペースや重機の配置に制約がある現場での施工実績があります。施工可否は、重機の設置条件、作業半径、資機材の搬入経路などを確認して判断します。
Q. 特殊な鋼矢板や複雑な締切施工にも対応できますか?
A. 鋼矢板の種類や現場条件に応じて施工方法を検討します。 宇都宮市の調整池築造工事では、 異なる形式の鋼矢板を併用し、 異形鋼矢板による完全締切を施工しました。
Q. N値だけで鋼矢板の施工可否を判断できますか?
A. N値は地盤条件を把握するための指標の一つですが、 N値だけで鋼矢板の施工可否を判断することはできません。 土質や地層の厚さ、礫・玉石の大きさや混在状況、 岩盤の強度などに加え、鋼矢板の形式・長さ、 使用機械や補助工法、反力の確保、周辺構造物への影響、 搬入・作業スペースなどを総合的に確認します。 ボーリング柱状図や地盤調査資料、設計図をご提供いただき、 必要に応じて追加調査や試験圧入を含めて施工方法を検討します。
Q. 鋼矢板の試験圧入には対応できますか?
A. 試験圧入の実績があります。 川口川整備工事では、当初設計の工法による圧入が困難と予測されたため、 試験圧入を実施し、工法変更につなげました。 実施の可否や試験位置・本数・深度、使用する鋼矢板と機械、 確認項目・評価方法、試験後の鋼矢板の扱いなどは、 地盤資料や現場条件を基に事前に協議します。 試験結果は試験箇所の条件に基づくため、 現場全体で同じ施工性が得られることを保証するものではありません。
Q. 工期短縮のために圧入機を2台使用できますか?
A. 現場条件に応じて、圧入機2台による施工を検討できます。 岩曽調節池整備工事では、施工手順を関係者と協議し、 F201の2台施工で工程内に完了した実績があります。 採用にあたっては、施工区間の分担、各機の反力の確保、 クレーンなどの配置や作業範囲の干渉、鋼矢板の搬入・供給、 作業員の配置、安全管理、機械の手配状況などを確認します。 2台使用しても工期が単純に半分になるとは限らないため、 地盤条件や施工数量、準備・縦継ぎ・機械移設などの工程も含め、 短縮効果と費用を検討します。